毎年、2月がくると思い出すことがあります。大学時代に冒険心に火が着いて、真冬の真夜中、日本海の海へ行きました。
女3人の大冒険でしたが、さすがに不安になり、男の後輩を1人連れて出発しました。雪が舞い散る日本海。午前2時の真っ暗な日本海。低重音の風が吹き付ける中歩く砂浜はなんだか不思議でした。
そのときのことをポエムにしてみました。今考えたら、真夜中の冬の日本海は危険がいっぱいだっただろうと思います。道中の運転、午前2時という時間、どこかで一歩間違っていたら…と思うと怖かったです。それでも、あの時はもうすぐ卒業を迎え、別々の路を歩き出す私たちには、その時を仲間と共に精一杯楽しむことがすべてでした。
※真夜中の日本海の写真がなかったので、青空ですが、晩秋の日本海の写真を添えておきます。
~End of winter~
みんなではしゃいだ冬の海辺 暗闇の中で撮った記念写真 砂に書いた心が波にさらわれて海へ消えた
午前2時 吹きつける風は冷たくて 冬の海は低くうなっていた どこまでも続く暗い海 白く浮かぶ空の月 私たちは誰かと何かすることで安心を求めた
みんなで話した思い出話 寒さの中で撮った記念写真 砂を歩いた足跡が波にさらわれて海へ消えた
午前2時 吹きつける風が冷たくて 冬の海は寂しく泣いていた どこまでも続く砂浜 海に浮かぶ船の灯 私たちは独りで何かするたび 不安と孤独につぶされそうだった だから 誰かといることで孤独から逃げた
迫りくる現実から目を伏せ ただ 今を この一瞬を大切に生きていた 「春」がきたら 私たちは別々の人生を歩き出す もうすぐ訪れる End of winter